1. 病理解剖について

現在、年間の剖検数は40弱であり、診断病理と週ごとに交替で担当しています。そのため、約半数の20体を受け持つことになります。分子病理では、すべての剖検例をCPC(clinico-pathological conference):臨床病理検討にはかり、臨床へのフィードバック、病理の診断能力の向上に努めています。 その中で、特に教育的価値の高いものは学生CPCの教材として取り上げています。

2. 病理業務について

外部の臨床検査施設から送られてくる標本の診断を行っています。特に、病理専門医を目指す方は病理部の協力のもと、週1~2回中央検査部の標本を鏡検します。によってさらに多様な症例にあたることで標本を見る力をつけていただきます。 これらの実務経験の後、病理専門医試験を受験することになります。参考のため、病理専門医試験受験資格を転記します。

  • (イ) 日本国の医師免許を取得していること。  
  • (ロ) 死体解剖保存法による死体解剖資格を取得していること。   
  • (ハ) 出願時3年以上継続して日本病理学会会員であること。  
  • (ニ)日本病理学会の認定する研修施設において5年以上人体病理学を実践した経験をもち、その期間中に次の各項の研修を終了していること。ただし、5年の実践期間のうち最高1年までを、厚生労働大臣の指定を受けた臨床研修病院における臨床研修(臨床検査医学研修を含む)をもって充当すること、また、法医での研修期間は、2年(法医学専攻の大学院修了者)までを充当することができる。    (a)いちじるしく片寄らない症例についてみずからの執刀による病理解剖を行い、病理解剖学的診断を附したもの50例以上を経験していること。
    (b)いちじるしく片寄らない症例についてみずから病理組織学的診断を附した生検(外科切除標本を含む)5,000例(50例の迅速診断を含む)以上を経験していること。
    (c)日本病理学会、国際病理アカデミー日本支部、あるいは日本病理医協会(支部を含む)等の主催する病理組織診断に関する講習を受講していること。
    (d)日本病理学会あるいは日本病理医協会等の主催する細胞診に関する講習を受講し、細胞検査士を指導し的確な診断をするに十分な細胞診の知識と経験を有してしていること。   
  • (ホ) 人体病理学に関する原著論文または学会報告が3編以上あること。   
  • (ヘ) 人格・識見に関する研修指導者の推薦があること。   
  • (ト)  人体病理業務に専任していること。